高齢者への介護では、たびたび適切ではないケアをしてしまう問題が発生しています。
介護の方法に絶対的な正解はなく、それは人によって人格が違うからです。介護職にすべての世話をしてほしいと考える人もいれば、最低限の介助でいいという人もいます。特にプライドの強い方ですと、他人にすべてを委ねたくないという意識が働くことが多いです。介護職が良かれと考えている介護が、利用者にとっては適切ではない場合があるのです。
そこで高齢者の介護をするときは、利用者一人ひとりの性格を把握するように努めましょう。大切なのは相手の意見を尊重し、自尊心を傷つけないことです。そのためには利用者の態度や表情をよくチェックし、険悪な空気にならないように配慮する必要があります。
気に入らないことがあった場合、直接言葉で伝えてくれる人もいれば、言葉には出さずに態度で示すという人もいます。態度と表情を見ておけば、現在のケアが利用者にとって適切か不適切か大まかに判断できるでしょう。
相手に協力的になってもらったほうが圧倒的に仕事は楽になります。例えば、忙しいときに頼まれごとをしたとき、冗談でかわしたり無視したりする介護士がいますが、こうした行為は利用者との関係を悪化させる原因となります。
何気ない発言が相手を傷つけている可能性があるので、たまに自身の言動に問題がないか再確認してみる必要があるでしょう。思いやりのこころを忘れてしまえば、よい介護ができるはずがありません。